
渋谷に集まり、渋谷で遊び、渋谷で仲間と出会い、渋谷で起業し、今や渋谷を代表する経営者となって、かつての自身のように渋谷に集う若い人たちが抱く夢の実現を応援しているのが、渋谷のカリスマと呼ばれた池田隼人さんです。池田さんが代表を務める株式会社エイチジェイは渋谷を拠点に日本全国でイベント事業やオーディション事業、広告代理店事業、ライブ配信事業、店舗プロデュース、芸能マネジメントなど、幅広い分野で事業を展開しています。Open Businessは池田隼人さんの人物像、株式会社エイチジェイの事業展開についてまとめてみました。
株式会社エイチジェイは池田隼人さんが2006年に設立

「女子高生ミスコン」「男子高生ミスターコン」など、話題のイベントを企画・制作・運営しているだけでなく、ギャルカルチャーをリードするメディア「egg」の運営、芸能プロダクションやライブ配信事業など、幅位広い事業を展開している株式会社エイチジェイ。同社は2006年、池田隼人さんが設立しました。今年で設立17年となり、従業員は契約社員・アルバイトも含め100人、資本金は5億2392万4千円という規模の企業です。同社の株主にはエイベックス株式会社、株式会社サイバーエージェントという大企業が名前を連ねています。役員の一覧を見て、取締役にエイベックス株式会社のCEOである松浦勝人氏が就任していることに驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どのように成長してきたのか、事業拡大してきたのか、株式会社エイチジェイ設立から今日までの歩みを見ていきましょう。
株式会社エイチジェイ沿革
- 2006年 株式会社エイチジェイ設立
- 2006年 芸能プロダクション事業始動
- 2007年 江ノ島西浜海の家 「GALAXY」出店
- 2008年 SHIBUYA109 8F「SBY」出店
- 2009年 アパレル事業始動
- 2010年 飲食事業始動
- 2012年 マツエクサロン・ネイルサロン始動
- 2015年 「女子高生ミスコン」「男子高生ミスターコン」始動
- 2016年 渋谷区観光協会クリエイティブアドバイザー就任
- 2017年 エイベックス株式会社から出資
- 2016年 エイベックス株式会社の松浦勝人CEOがエイチジェイ取締役就任
- 2018年 雑誌「egg」復刊
- 2018年 サイバーエージェントから出資
- 2019年 イベント「TGC teen」開催
- 2020年 雑誌「TEENS」創刊、雑誌「nuts」復刊
- 2021年 雑誌「小悪魔ageha」復刊
株式会社エイチジェイは2006年2月22日に設立されました。それから17年経ちましたが、現在も設立時代に代表である池田隼人さんが掲げた “若者の夢を応援する会社”という企業理念を変えず、渋谷の街から時代にマッチした、そして次代に向けた価値を創り続けている会社であり続けています。
代表取締役社長である池田隼人さんが同社を立ち上げたのは21歳のとき。事業のコンセプトは「渋谷の未来と若者の夢をプロデュース」。渋谷に集まる池田さんにとっての同世代の夢を叶える応援をしたい、そのことが渋谷の未来を創っていく、そう考えていたそうです。
渋谷のサークルでトップを目指した池田隼人さん

池田隼人さんが初めて渋谷という街を意識して、渋谷という街を訪れるようになったのは中学2年生のとき。渋谷で有名になっていた先輩たちに憧れて、渋谷までその姿を見に行く、それが始まりだったそうです。そこで池田さんの地元である品川区や隣の港区といったところから渋谷に集まってくる仲間たちと知り合っていきます。
高校に進学した池田さんは先輩たちがしてきたようにサークルと呼ぶ団体を結成します。そこで池田さんや池田さんの仲間たちが結成したのはイベントの企画や開催、運営をするイベントサークル、いわゆるイベサーです。当時の渋谷には池田さんたちのようなイベサーのほかにも女子だけで構成されたイベントサークルのギャルサー、また男性だけで構成されたサークルや、ただ気が合うもの同士で集まるサークルなど、50 以上のサークルがあり、そういったサークルの中の頂点を目指していたそうです。その理由は一つ。「ただ有名になりたかったんです」、池田さんはインタビューでそう答えています。
池田隼人さんが渋谷を目指した理由
池田隼人さんが17歳のとき、自身が結成したサークルは参加者が100人を超え、渋谷の街で誰もが知るサークルとなりました。池田さんはなぜ渋谷という街を選び、そして渋谷という街に集うようになったのでしょうか。それは「渋谷は常に魅力あふれる人がいる、そういう街なのです」、池田さんはそう語ります。
池田隼人さんが渋谷の街で集まり、仲間たちと遊んで過ごしていた時代には現在のようにLINEやFacebook、X(Twitter)やInstagramといったSNS、コミュニケーションツールは存在していませんでした。「誰かに会える」「魅力的な人がいる」、渋谷は池田さんにとって、そういう街でした。だから、池田さんは渋谷に行き、渋谷に集い、渋谷で仲間たちに出会い、渋谷で時間を過ごしたのだといいます。
ターニングポイントがやってきたのはサークルを引退した18歳のとき
18歳になり、渋谷でのサークル活動にピリオドを打ち、引退を考えたとき、当時の先輩からの言葉が池田隼人さんを動かします。それが「この影響力をどう活かすのか」という一言でした。池田さんが見つけた答えは「渋谷のイメージ、渋谷に集う自分と同世代、自分より年下の人々のイメージを変える」ということ。当時の渋谷はゴミのポイ捨てなどが深刻化していました。ほかにもドラッグをはじめとする違法薬物についての問題もあったそうです。「イベントで人を集め、こうした問題に対しての認識を持ってもらい、自分たちで解決していく機運を創っていく」、渋谷の街にそういう流れを作っていこうと池田さんは尽力されました。そして、この取り組みが株式会社エイチジェイの起業へとつながっていきます。
株式会社エイチジェイが展開する事業
株式会社エイチジェイはイベントの企画や制作・運営、芸能プロダクション、メディア運営、ライブ配信など、幅位広い事業を手掛けています。その中からいくつかをご紹介しましょう。
日本一可愛い女子高生、かっこいい男子高生を決めるオーディション事業

株式会社エイチジェイが2015年から開催しているオーディション事業が「女子高生ミスコン」「男子校生ミスターコン」です。
中町綾さんやリコピンさんなど現在活躍中のスターも多数輩出した「女子高生ミスコン」は「日本一可愛い女子高生」を決めるコンテストです。また、「男子高生ミスターコン」は「日本一かっこいい男子高生」を決めるコンテストで、仮面ライダーシリーズや戦隊シリーズの主演、大人気恋愛リアリティーショー出演者も多数輩出しています。過去には小宮理央さん、高橋文哉さん、本田響也さんらが出演したことでも知られています。
池田隼人さんらエイチジェイが運営しているギャルカルチャー雑誌「egg」など

1995年に創刊したギャルカルチャー雑誌「egg(エッグ)」は当時の渋谷に集う女子高生の文化を反映した誌面編集で人気を博し、ルーズソックスやコギャル、へそ出しルック、ガングロ、アムラーなど、いわゆるギャル系ファッションの流行に大きな影響を与えました。
そのeggは2014年に休刊。しかし2018年、当時広告制作会社社員だった赤荻瞳さんが編集長となって、ウエブ版で復活させます。復活したeggはYouTubeやSNSなどをフル活用した、情報拡散力のある質の高いギャルメディアとなります。赤荻瞳さんが2022年、渋谷女子インターナショナルスクールの校長に就任したことから、その運営は池田さんが経営する株式会社エイチジェイが引き継ぎ、現在に至ります。
そのほか、「もっと有名になりたい、もっと輝きたい」と思っている、全国47都道府県に発信力を持ったティーンのライバーが活躍できるライバーのネットワーク運営や商品開発、マーケティング、広告宣伝、クリエイティブ監修、ブランディングまで、ワンストッププロデュースが可能な広告代理店ビジネスなども展開しています。
まとめ
渋谷を拠点として、イベント事業やオーディション事業、広告代理店事業、ライブ配信事業、店舗プロデュース、芸能マネジメントなど、幅広い分野で事業を展開している株式会社エイチジェイ。同社の代表は渋谷の街で10代を過ごし、今も渋谷で時代に合った価値を創り続けているのが池田隼人さんです。渋谷の街は再開発が進んでいます。池田さんもその渋谷という街を創っていく一人の経営者として注目されています。
企業概要
- 会社名:株式会社エイチジェイ
- 会社所在地:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-22-1 CHビル2F.3F.4F
- TEL:03-6712-5946 / FAX:03-6712-5947
- 設立 2006年2月22日
- 資本金 523,924,000円(資本準備金含む)
- 代表取締役社長:池田 隼人
- 代表取締役副社長:中野 輝
- 取締役:杉山 貴昭
- 取締役:宮城 啓太
- 取締役:松浦 勝人(現エイベックス株式会社 CEO)
- 従業員数:100名(契約社員・アルバイト含む)
- 事業内容:オーディション事業、LIVE配信事業、プロダクション事業、メディア事業、イベント事業、広告代理事業、店舗事業
- 取得資格:宅地建物取引業者免許、一般労働者派遣事業許可、有料職業紹介事業許可、高度管理医療機器販売許可
- コーポレートサイト:https://hj-s.co.jp/