LGT銀行が日本でもプライベートバンク事業を開始!事業内容などをまとめてみました

LGT銀行が日本でもプライベートバンク事業を開始!事業内容などをまとめてみました

はじめに

2019年に野村総合研究所が実施した調査によれば、日本の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」は124万世帯、同5億円以上の「超富裕層」が8.7万世帯で、合わせると132.7万世帯。安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった2013年以降、一貫して増加を続けています。

感染症拡大の中でも株価は上昇していますが、多くの経済指標は悪化しており、富裕層・超富裕層は専門家のアドバイスを含む多様な情報を集めて、資産運用するという考え方が強めています。そんな中で、欧州のリヒテンシュタイン公国に本拠を持つLGT銀行のプライベートバンキングが注目を浴びています。

プライベートバンキングとは

プライベートバンキングは、富裕層の多様なニーズに合わせて総合的な資産管理を提供するサービスです。元々はヨーロッパの王族・貴族の資産管理をするサービスで、スイスが発祥とされています。プライベートバンキングで有名な国はスイスのほか、リヒテンシュタイン、シンガポール、イギリスなどです。

特にリヒテンシュタインのLGT銀行は、リヒテンシュタイン公爵家の資産管理から発達した銀行で、リヒテンシュタイン公爵家のファミリーカンパニーとして専門知識を顧客に提供するプライベートバンクとして知られています。

LGT銀行とは?

LG銀行は、1921年設立の国際的なプライベートバンクです。3,900人以上の従業員を擁し、世界20カ所以上に拠点があります。リヒテンシュタイン公爵家のファミリーカンパニーで、リヒテンシュタイン公爵家が最大の顧客であり、同時にオーナーとして80年以上前から経営しています。リヒテンシュタイン公爵家のファミリーカンパニーであるため、長期的な視野での思考と行動を重要視しています。

リヒテンシュタイン公爵家は何世代にもわたってファミリーの財産を成長させ、保全・管理してきた幅広い経験を有しており、顧客はリヒテンシュタイン公爵家と同じ戦略に基づく資産運用が可能です。

LGT銀行の投資ソリューション、いよいよ日本にも

LGT銀行は、顧客の資産運用保全・管理の目標や期待、価値観に基づいて、一人ひとりに寄り添った投資ソリューションを提供してくれます。また同時に、LGT銀行の思考や行動は、リヒテンシュタイン公爵家の価値観を具現化しています。

LGT銀行のアドバイスは、顧客との長く深い相互の信頼関係を基礎に行われるもので、顧客に自社商品を提案するだけでなく、市場環境を鑑みて最適な投資ソリューションを特定し、顧客と共に適切な投資戦略を決定します。その戦略はリヒテンシュタイン公爵家の投資戦略と同等と言えるでしょう。

今年10月、LGT銀行は日本拠点として「LGTウェルスマネジメント信託」を開業し、富裕層向け資産運用サービスを始めたと発表しました。 LGTウェルスマネジメント信託の永倉義孝会長は記者会見で「石炭や児童労働に関わる投資先を排除するなどESG投資を重視する」と述べています。

リヒテンシュタイン公爵家の投資戦略とは

リヒテンシュタイン公爵家は、公爵家のポートフォリオの管理をLGT銀行の投資エキスパートに委託しています。顧客は公爵家と同じように資産を運用できます。


LGT銀行では、伝統的資産とオルタナティブ資産を組合せて、高度な分散投資を行います。投資コンセプトはハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学、スタンフォード大学といった米国名門大学が基金を運用する手法とよく似たものです。こうした手法で運用する商品に個人投資家が投資できる機会は決して多くありません。

LGTリヒテンシュタイン銀行の融資サービス

LGT銀行は融資サービスとして、ロンバードローン、不動産担保ローンを提供しています。どちらもプライベートバンキングサービスを充実させ、顧客の資金調達の柔軟性を高めています。


ロンバードローンは、預かり資産を担保として差し入れることで、迅速に追加の資金を得られるものです。LGT銀行が顧客に対し変動与信枠を提供します。証券購入や流動性を確保するために利用できる与信枠の上限は、LGT銀行が担保に入れた証券の担保価値を算定した額によって決定します。固定金利の形にする場合は金利を低くできます。


不動産担保ローンは、不動産投資のための資金調達を柔軟にするもので、経験豊富な国際金融のエキスパートが、オーストリア、フランス、モナコ、英国、シンガポール、香港などの特定の国での不動産投資に対し融資のソリューションを提供します。

LGT銀行のウェルスプランニングサービス

リヒテンシュタイン公爵家のファミリーカンパニーであるLGTには、複雑なウェルスプランニングの要件を管理できる豊富な経験があります。


さまざまなタイプの資産について、顧客の資産承継計画を診断し、資産管理体制の構築、 遺言作成、その他の資産承継計画の策定など、取り組むべき分野を特定し、ウェルスプランニング戦略をメンテナンスします。


弁護士・会計士など、さまざまな外部スペシャリストからなるチームのプロジェクトリーダーを継続的に務め、資産承継計画の策定プロセスをコーディネートします。

LGT銀行のサステナブル投資

LGT銀行は、2009年よりサステナブルな投資ファンドを提供商品に取り入れており、2019年からはサステナビリティに重点を置き運用するポートフォリオ管理ソリューションを提供するなど、サステナブル投資にも力を入れています。人々や環境に良い影響をもたらすと同時に、長期的な財務価値を創出することができるからです。


独自の分析ツールを用いて、さまざまな発行者のコーポレートガバナンス、環境的側面、社会的側面を評価し、タバコ・武器・児童労働などの問題ある製品や行動を投資から除外しています。高いサステナビリティ基準を設ける企業や国の証券を選び抜き投資しています。

LGT銀行のオーナー、リヒテンシュタイン公爵家とは

リヒテンシュタイン公爵家は、優れた企業家一族として数世紀にわたる実績を有しています。


LGT銀行の会長であるフィリップ・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン公子殿下は、「私たちは、何世代にもわたり懸命に努力し続け豊富な経験と革新力を兼ね備えた結果、伝統的事業において長い間にわたりサステナブルな成長を実現しています。それが、農業と林業、ワイナリ-事業、金融サービス事業、そして5世紀に及ぶ傑作を揃えたリヒテンシュタイン公爵家コレクションです。」と述べています。

リヒテンシュタイン公爵家コレクションとは

リヒテンシュタイン公爵家の人々は、5世紀におよぶヨーロッパの重要な美術作品からなる、世界で屈指の規模を誇る個人コレクションを構築しています。ヨーロッパの宝石箱とも呼ばれるこのコレクションは、ウィーンのリヒテンシュタイン・ガーデンパレスに所蔵されています。


リヒテンシュタイン公爵家は、美術の振興を自らの義務と考えてきました。そのため今日に至るまで継続的にコレクションを追加しています。コレクションそれぞれのテーマに沿った最も優れた美術作品を慎重に選び抜き、所蔵品をより豊かで幅広いものにしています。

まとめ

LGT銀行は、国際的なプライベートバンクです。リヒテンシュタイン公爵家が最大の顧客であり、同時にオーナーとして80年以上前から経営する公爵家のファミリーカンパニーでもあります。リヒテンシュタイン公爵家は、ポートフォリオの管理をLGTリヒテンシュタイン銀行の投資エキスパートに委託しているため、顧客は公爵家と同じように資産を運用することができます。


LGT銀行は、伝統的資産とオルタナティブ資産を組合せて高度な分散投資を行うという、米国名門大学が基金を運用する手法と同様の投資戦略を採用しています。

企業概要

社名:LGT銀行(LGTリヒテンシュタイン銀行= Liechtenstein Global Trust)
会長:フィリップ・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン公子
CEO:マクシミリアン・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン公子
所在地:Herrengasse, 12 FL-9490 Vaduz, Liechtenstein
拠点所在国:オーストリア、フランス、ドイツ、スイス、英国、米国、オーストラリア、中国、香港、シンガポール、など
コーポレートサイト:https://www.lgt.com/asia/jp/sustainability/
主要業務:プライベートバンキングサービス、国際アセットマネジメントサービス

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