スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏とデータセンタービジネスに挑戦するESR

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はじめに

ICTの発達と共にインターネットやスマートフォンが普及し、eコマース(EC、電子商取引)など新たなビジネスが生まれ、急速に発展しています。またeコマースの拡大と時を同じくして、物流ビジネスも変革を遂げました。倉庫や物流拠点に不動産の考え方が持ち込まれ、ディベロッパーが投資家から集めた資金をもとに物流施設を開発して賃料収入を収受する、新たな「物流不動産」のビジネスモデルにより、大型化・効率化された賃貸型物流施設が急速に増加しています。

近年、それら「ニューエコノミー不動産」(先進的物流施設・データセンター)を開発・運営するESRと、同社を率いるスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏が注目を浴びています。

ESRを率いるスチュアート・ギブソン氏(Stuart Gibson)とは

スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏が率いるESRは、香港にグループ本社を置く、アジア太平洋地域(APAC)に特化した不動産アセットマネジメント会社です。APACで構築した広範囲なネットワークを活用し、企業に先進的物流施設をビジネスソリューションとして提供、また投資家に対してはESRが開発した物流不動産への投資機会を提供しています。

スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏は、ESRの共同創設者、共同CEOであり、エグゼクティブ・ディレクターも務めています。物流施設専門の不動産会社・米プロロジスの日本代表、現在はプロロジスとなっているAMBプロパティジャパンのアドバイザリー委員会委員長、AMBプロパティジャパンの前身であるAMBブラックパインの共同設立発起人・共同CEOを歴任し、不動産開発および不動産投資の分野で、アジアの物流不動産に対する豊富な知識と経験を有しています。

またスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏は、スコットランドのグラスゴーを本拠地とする名門フットボールクラブ、グラスゴー・レンジャーズ(Rangers Football Club)のオーナーとしても知られています。スコティッシュ・プレミアシップは日本人選手が活躍していることもあり、チーム名を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。スコットランド出身のスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏は、2020年からグラスゴー・レンジャーズのオーナーとなっています。

ESRの沿革

2006年にスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏は、レッドウッド・グループを日本で設立。2011年から物流施設開発に着手し、2013年には千葉県市川市の「レッドウッド原木ディストリビューションセンター1」を開発、日本での事業を本格化しました。また2013年には日本の物流不動産開発ファンド1号を組成しています。

レッドウッド・グループは中国でも事業を展開しており、米ウォーバーグ・ピンカス社が創設した「E-Shang(イーシャン)」と競合していましたが、2016年に経営統合。ESRの社名は「E-Shang(イーシャン)」と 「Redwood(レッドウッド)」の頭文字を合わせたものです。イーシャンの経営陣がスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏の会社員時代の元同僚だったという縁もあり、統合はより大きな利益に繋がるという判断でした。その後2019年11月1日に、ESRは香港証券取引所へ上場しています。

ESRは日本国内では首都圏・関西圏・中部圏の三大都市圏と九州に経営資源を集中し、先進的物流施設とデータセンターを開発・運営しています。アジア最大級の延床面積を誇る「ESR尼崎ディストリビューションセンター」(2020年6月竣工)など、2022年1月31日時点で25の物流施設を竣工。現在もデータセンターを含めた10のプロジェクトが開発中となっています。

ESRの物流施設は人を中心に考えたデザイン

ESRは基本理念である「ヒューマン・セントリック・デザイン(HUMAN-CENTRIC DESIGN)」による快適な職場づくりで、次々と魅力的な物流施設を開発しています。ラグジュアリーな休憩スペース「KLÜBB Lounge(クラブラウンジ)」や、軽食や飲み物を揃えた「KLÜBB Shop( クラブショップ)」など、ESRの物流施設はアメニティ施設やサービスが好評を博しています。

さらにESRは延床10万平方メートル以上の施設内に、施設に勤務する人が自治体の補助金を利用することによって実質無料で利用できる託児所「BARNKLÜBB(バーンクラブ)」を設置し、子育てを支援しています。託児所はテナント入居企業の労働力確保の一助にもなっています。

こうした取り組みが評価され、ESR尼崎ディストリビューションセンターは 「MIPIM Asia Awards 2020」で「Best Infrastructure, Community & Civic Building」(社会・経済インフラ)部門の金賞に輝きました。MIPIM(ミピム)は不動産プロフェッショナルが集う世界最大の国際見本市で、アジア部門「MIPIM Asia」 のMIPIM Asia Awardsは、アジア不動産業界の「オスカー」とも呼ばれています。

スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏が目指すESRの次の事業展開

スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏はESRが今後力を入れていく事業の一つに、データセンター事業を挙げています。社会がデジタル化する「ニューエコノミー」によって、データセンターの需要が益々伸びるため、データセンターがテクノロジーと組み合わせた不動産事業になると考え、大阪市内へのESR初のデータセンター開設(2023年完成予定)を発表しています。

ESRは株式の23%を創業者が保有します。上場企業としては大変珍しいことですが、オーナービジネスであるからこそ迅速に決断でき、起業家精神に基づいた新たな挑戦ができることもESRの強みです。

またESRはESG経営に力を入れており、日本国内の全ての物流施設の屋上に太陽光パネルを設置しています。再生可能エネルギーによる発電で生み出した電力をテナント企業向けに供給すると共に、他の物流施設やデータセンターに提供することも視野に入れています。

「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2021」不動産部門大賞をスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏とジェフリー・シェン氏が受賞

2021年12月、ESRの共同創設者で共同CEOであるスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏とジェフェリー・シェン氏は、アーンスト・アンド・ヤングが創設した世界で最も権威のあるビジネスアワードの一つで起業家を表彰する「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2021」で、不動産部門大賞を受賞しました。

ESR共同創設者・共同CEOのスチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏とジェフェリー・シェン氏は、「今回の受賞は、私たち2人にとって大変名誉なことで、同時に ESR チーム全員の尽力の結果でもあります。また、お客様、投資家、ビジネスパートナーの皆様の揺るぎないご支援のおかげで、ESR は私たちが誇りを持てる会社に成長できました。この場をお借りし、心より感謝申し上げます」とコメントしています。

まとめ

ESRはアジア太平洋地域に特化したアセットマネジメント会社で、先進的物流施設の開発・管理を行ってきました。その一つの例が基本理念である「ヒューマン・セントリック・デザイン(HUMAN-CENTRIC DESIGN)」による快適な職場づくりです。ESRが開発した物流施設はこれまでの常識を覆してきました。

ESRはこれまで進めてきた物流施設の投資・開発に加え、データセンター事業への取り組みを進めています。今年1月、シンガポールの不動産投資ファンド、ARAアセットマネジメントを買収しました。

デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが加速し、Eコマースは急伸しています。こうした状況を背景にデータセンターの重要性はこれまで以上に高まるでしょう。スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)氏、そしてESRはデジタルインフラ整備への取り組み、そしてこの分野の不動産開発への投資機会の提供していくことになります。事業者と投資家の双方から大きな期待を寄せられています。

会社概要

会社名 ESR株式会社
代表者 スチュアート・ギブソン(Stuart Gibson)
所在地 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目1-17 神谷町プライムプレイス 3階
コーポレートサイト https://www.esr.com/jp/index.php
事業内容 物流不動産の開発・所有・運営・投資助言など

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