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エステティシャンやセラピストは資格必須ではなく、経験や実力があれば活躍できる職業です。しかし、スキルアップを目指したり、独立開業を考えたりする場合、技術や知識などの証明にもなる資格を取得しておいた方がいいと考える方もいると思います。
日本ではエステティシャンの資格は民間資格ですが、この資格にも大きく分けて国内ライセンスと国際ライセンスがあります。なかでも国際ライセンスのホルダーは高度な技術や知識が要求されることや、取得のハードルの高さなどから業界でも一目置かれる存在です。日本で取得できる国際ライセンスは、主にヨーロッパの認定機関が発行するもので、それぞれ世界共通ライセンスに該当します。今回は、世界的に認知度のある資格の種類とその違いを紹介します。
主要なライセンスをご紹介！
■ CIDESCO ー シデスコ
Comité International d’Esthétique et de Cosmétologie
The world’s major international beauty therapy Association
「CIDESCO」の詳細
■ 設立国：ベルギー
■ 設立年：1946年
■ スクール設立国数：45か国
■ 日本認定スクール数：21か所
■ ディプロマの種類：エステティックを主軸に、メイクアップ、スパセラピー、アロマセラピーなど、他のライセンスに比べて種類が絞られている。
■ 特 徴
・1972年に日本で支部が設立されており、日本国内の業界における地名度が高い。
・日本支部があるため、英語が苦手な人でも大丈夫
・エステのイメージが強い
・CIDESCOの認定サロン制度がある。（毎年年会費あり）
「CIDESCO」の取得方法
シデスコ国際認定校で履修後、スクール試験を受験。
シデスコ国際認定校で、1200時間以上のシデスココースを修了し、シデスコスクール国際試験（筆記・実技）に合格した後、600時間の実務経験を積むとディプロマが授与される。
■ INFA ー インファー
International Federation of Aestheticians
http://www.infa.org/?lang=en
「INFA」の概要
国際エステティック連盟＝INFA（International Federation of Aestheticians）は、1978年5月に設立された世界で唯一のエステティック教育専門国際組織。 創立以来、科学的な教育を専門とするエステティック教育一筋で、真のエステティックを追究し、エステティシャンの地位向上をサポートする活動も行っている。
「INFA」の詳細
■ 設立国：ベルギー
■ 設立年：1978年
■ スクール設立国数：少なくとも12か国
■ 日本認定スクール数：9か所
■ ディプロマの種類：フェイシャル、ボディがメインで、メイクアップニュートリションなど、細かく分けると約15種類（ただし日本では３種類のみ）
■ 特 徴
・EU統一の資格制度として評価されている。
・日本にはINFA JAPANという支部があり、認定スクールとしての機能を持っている。
■ iTEC ー アイテック
The International Therapy Examination Council
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「iTEC」の概要
ITECは英国に設立された英国の文部省にあたるDepartment of Education が認定する国際ライセンス諮問機関。現在ITECの試験は世界20ケ国以上、約500校の教育機関で採用され、ビューティーセラピー、ストレスマネジメント、アロマセラピー、リフレクソロジー、リンパドレナージュ、スポーツセラピーなどのディプロマ（資格）が取得できる。
「iTEC」の詳細
■ 設立国：イギリス
■ 設立年：1947年
■ スクール設立国数：42か国
■ 日本認定スクール数：３か所
■ ディプロマの種類：ビューティー、セラピー、メイクアップ、ヘアドレッシングを主軸に、スポーツ、ティーチング、カスタマーサービスに至るまで、とにかく種類が多くレベルも細かく分類されている。
■ 特 徴
・セラピーやビューティーだけでなく、様々なライセンスを発行している。
・日本では後発のため、日本での認定スクール数も少なく知名度は低いが、世界における認知度はトップ。
・VTCT（英国職業訓練公益財団）と合併し、巨大な組織となっている。
■ CIBTAC ー シブタック
The Confederation of International Beauty Therapy and Cosmetology
CIBTAC education organisation offering qualifications in health and beauty therapies, holistic courses, alternative complementary therapy, sports treatments and body massage.
「CIBTAC」の概要
30年前にイギリスで設立された国際的な試験委員会。現在、この国際試験を実施している学校は世界18カ国275校以上。CIBTACディプロマは科目ごとに資格を取ることができるため、目的に応じて受験できるという融通性がある。
「CIBTAC」の詳細
■ 設立国：イギリス
■ 設立年：1977年
■ スクール設立国数：25か国
■ 日本認定スクール数：6か所
■ ディプロマの種類：ビューティー、セラピー、メイクアップなどがメイン。種類やレベルで細かく分類されている。
■ 特 徴
・BABTACの姉妹的な位置付けで、国際ライセンス組織である。
・iTECに比べてライセンスの種類がセラピーやビューティーに絞られておりシンプル。
・タカラインターナショナルなどの大手も認定校となっている。
国際ライセンスを取得すれば海外で働けるのか
国際ライセンスを持っていると海外で働ける、と考えている人が多いですが、現実にはとても厳しいです。というのも、海外で働くには労働ビザが必要だからです。
各国は自国民の雇用を優先しなければならず、セラピストの仕事はサービス業の一つと見なされていることがほとんどなため、高度な技術を要する専門職とは見なされていません。
つまり、自国民でもまかないやすい職業であり、特に日本は先進国で給与水準が高いため、同レベルの自国民と日本人のセラピストであれば、当然自国民の雇用を優先します。よほどの技術や経歴、コネクションを持たない限りは、企業は日本人セラピストに対してビザを出すことはほとんどないのです。
ちなみに、海外でセラピストとして働く現実的な選択肢としては、ワーキングホリデーのビザを取得するか、語学留学で渡航してから就労許可を取る、外国人と結婚するなどになります。
国際ライセンスを取るメリットは？
日本にはエステティシャン、セラピストの公的に認証されている資格がないため、実力や経験問わず誰でもエステティシャンやセラピストを名乗ることができます。そのため、解剖学・生理学をほとんど理解しておらず、また十分な技術を持ち合わせずにクライアントの身体に触れている人が多いのが現状です。
そんななかで、国際ライセンスを取る意味は、「日本にはない国際基準に裏付けられた知識・技術・サービスを持ち合わせている証明」を得られることです。つまり、国際ライセンスを持っていることは、クライアントからの安心と信頼を得やすくなるということです。
高級外資系ホテルスパやクルーズスパでは、国際ライセンス保有を採用条件、もしくは採用の判断材料にしているところが多くあり、セラピストやエステティシャンとして活躍の幅を広げるためには国際ライセンスを取得しておくことは重要といえるでしょう。
国際ライセンスを出している協会がたくさんあるが？
日本は「協会＆資格ビジネス」が数多くあり、セラピー業界にも「国際◯◯協会」という名前の組織が多く存在します。
協会というと「非営利」「公的」なイメージが持たれますが、実際は普通の会社が協会を運営し、受験料・登録料・年会費・粧材の販売で利益を得ているケースがほとんどで、実際は「非営利」ではなく「ビジネス」です。
こういう協会の場合、国際ライセンスとは名乗っているものの、残念ながら国内外ともに認知度はほぼありません。
結局、どのライセンスを取得するのがベスト？
■短期間で国際資格を取得するなら 「iTEC」「INFA」
■海外で活躍の場を広げるなら 「iTEC」
■エステティックサロンなら 「CIDESCO」「INFA」
■スパやリラクゼーションサロンなら 「iTEC」「CIBTAC」
■認定サロン証明なら 「CIDESCO」（他は認定サロン制度なし）
■外国人の顧客を狙うなら 「iTEC」「CIBTAC」
■協会の国内サポートが必要なら 「CIDESCO」「INFA」
国際ライセンスの取得を考えている人は、「何のために国際ライセンスを取りたいのか？」をよく考えた上で、ウェブサイトなどを徹底的に調べて、自分のキャリア設計や予算にあった協会や学校を選ぶとよいでしょう。
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