ラクスルが示す事業進化とは？印刷からBPO・SaaSへと広がるビジネスの軌跡

印刷事業からスタートしたラクスル株式会社は、現在ではBPOやSaaS分野にも領域を広げながら、着実に存在感を高めています。本記事では、そんな同社の事業進化の歩みを振り返りながら、その特徴や可能性についてご紹介します。

印刷を起点に築かれたシェアリングプラットフォーム

ラクスルは、印刷というアナログな分野からスタートしながら、BPOやSaaSなどの領域にまで事業を広げてきました。その根底にあるのは、「業務をよりよくする」という明確なテーマです。

業界構造の課題に対する洞察と、テクノロジーを使った柔軟なアプローチによって、さまざまな業務課題に応えるサービスを展開しているラクスル。

今後も、変化の激しいビジネス環境に合わせて、新たな支援の形を模索しながら、企業活動や社会全体にポジティブな影響をもたらす存在として注目されていくことでしょう。

印刷事業で培ったノウハウを活かしながら、ラクスルはBPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）事業にも事業領域を広げています。

たとえば物流分野では、「ハコベル」というプラットフォームを通じて、荷主企業と運送会社をつなぐサービスを展開。これにより、運送の手配や配送にかかる手間の削減をサポートしています。

また、マーケティング支援の分野では「ノバセル」という広告サービスを運営。動画広告などを活用したプロモーション活動の支援を行い、マーケティング業務の見える化や改善をサポートしています。

これらのサービスは特定の業種に限定されるものではなく、共通して「業務の効率化」や「仕組み化」をキーワードに設計されているのが特徴です。

さらに近年では、SaaS（Software as a Service）領域にも進出し、IT運用の管理業務を支援する「ジョーシス（ジョーシス株式会社）」というサービスを展開しています。

ジョーシスは、従業員に紐づくSaaSアカウントやITデバイスの管理、入退社時のアカウント処理の自動化、パソコンの調達・初期設定のサポートなど、企業の情報システム部門が担当する業務をクラウドで一元管理できるサービスです。

こうした機能を活用することで、IT部門の業務負担を軽減しつつ、内部統制やセキュリティ面でも一定のメリットが期待されています。

導入実績や効果については随時公式発表などを通じて確認されることが望ましく、今後の展開にも注目が集まっています。

これまでのラクスルの取り組みを振り返ると、印刷業界にとどまらず、物流や広告、IT管理といった異なる分野にチャレンジしながらも、「業務の最適化」を一貫したテーマとして掲げてきたことが見えてきます。

どの分野でも共通しているのは、既存の業務構造に潜む非効率を見直し、テクノロジーの力で再構築していくというスタンスです。

こうした取り組みは、業種や業界を問わず、多様化する業務課題に向き合う企業にとって、ひとつの参考となるアプローチと言えるかもしれません。

ここ数年の事業拡張の流れを見ると、ラクスルはもはや「印刷の会社」という枠を超え、業務支援に強みを持つプラットフォーム企業へと進化しているように見受けられます。

デジタル化やDX（デジタルトランスフォーメーション）の流れが加速する中、業務そのものの見直しや、効率的な仕組みづくりが求められる場面は増えています。

ラクスルのように、個別のツールやサービスではなく、業務フロー全体に目を向けて支援していく視点は、今後さらに重要性を増していくと考えられます。