3Dプリンターと技術についてまとめてみた

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1. はじめに
2. 3Dプリンター、3Dプリンティングとは？
3. 3Dプリンターで使われる材料は？
4. 3Dプリンターでロケットや飛行機、自動車部品も
5. まとめ
6. 3Dプリンターを知るために役立つリンク
7. 転職を考える人へ

はじめに

プラスチックやABS樹脂、金属の粉末といった材料を積層させ、立体を造形していく３Ｄプリンター。設計者やデザイナーがイメージしたアイデアを樹脂や金属で立体造形できることから試作に使われているほか、量産・大量ストックが難しい部品のような完成品や市販品の生産などにも利用されています。

３Ｄプリンターの技術は向上し、低価格化も進んだことから、普及・拡大しており、モノづくりのためのプロセス、デザインや設計に対する考え方にも変わってきました。今回のオープンビジネスは3Dプリンターとその技術についてまとめてみます。

3Dプリンター、3Dプリンティングとは？

3Dプリンターは「アディティブ・マニュファクチャリング（Additive Manufactureing=AM）」あるいは「付加製造」と呼ばれている製造技術、つまり材料を接合して立体を造形していく技術を利用したものづくりをする装置です。

3Dプリンターには光で硬化する樹脂を材料に利用して、材料に紫外線(UV)レーザーを照射し、固めたものを積層させて造形していく「光造形法」、粉末材料をレーザーや放電で焼結させる「粉末法」のほか、プラスチックやエンジニアリングプラスチックを加熱・溶解させて、積層し、造形していく「熱溶解積層法」、薄いシート状の金属や紙、プラスチックなどを積層させて造形する「シート積層法」、さらには液化した材料を噴射、積層させて造形していく「インクジェット法」などがあります。

3Dプリンティングとはこうした様々な方法の3Dプリンターを利用して、立体造形していくことです。

3Dプリンターで使われる材料は？

3Dプリンターの材料として一般的なものはABS樹脂、PLA樹脂です。家庭用としても使える廉価版3DプリンターはABS樹脂やPLA樹脂を材料としたフィラメントを溶かし、積層させて、造形します。

最近はABSやPLA樹脂に加えて、耐候性の強いASA樹脂や耐熱・耐薬品性が強いPP樹脂、さらにはPC樹脂やナイロン樹脂といったエンジニアリングプラスチック、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル(PET)やグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、金属なども3Dプリンターで出力が可能になっています。

産業用として利用されている3Dプリンターは大量生産に入る前の製品デザインを確認するためや、パーツの組み付け感、機能や構造、応力解析、質感などの確認用の試作品製造に使われてきました。

しかし、近年、3Dプリンターで利用される材料の品質を含めた技術が向上したこと、3Dプリンターの性能が向上し、出力できる素材が増えてきたこと、また出力の精度が向上したこともあって、完成品や市販品の生産にも利用が進んでいます。

3Dプリンターでロケットや飛行機、自動車部品も

3Dプリンターは完成品や市販品の生産に利用が進んでいます。中でも注目されているのは金属を造形できる3Dプリンターです。従来、放電加工が必要だった深溝加工、工作機械では加工が困難だった複雑な形状の樹脂用金型の加工などに有効です。

航空機の世界では金属積層３Dプリンターで生産されたエンジン用の燃料ノズル、チタンアルミ製の低圧タービンブレードといった部品が採用されています。また宇宙ロケットのエンジン部品の製造でもこれまで切削加工していたものが3Dプリンターで造形した部品に置き換えられているといったことが知られています。

自動車部品でも3Dプリンターを利用したものづくりが行われています。ヨーロッパの自動車メーカーが自社のクラシックカー部品供給問題の解決策として3Dプリンターを活用してきましたが、最近、高性能モデルのエンジン部品製造を３Dプリンターで行なったと発表しています。自動車部品には高い耐久性や信頼性が求められますが、3Dプリンターで製造された部品は厳しい検査をクリアしました。

まとめ

ものづくりに3Dプリンターを導入することで、メーカーは部品の管理コスト削減が可能になります。また、製造が終了した部品についての対応も可能になり、製品を長期に利用するユーザーへのサービス向上にも役立ちます。
航空機やロケットだけでなく、小ロット多品種・個別生産が必要とされる製造現場では今後、ますます3Dプリンターが普及拡大していく流れにあるといえるのではないでしょうか。